📝 【2025年5月】Claudeに追加された2つの新機能を解説:外部アプリ連携「Integrations」と高度な調査機能「Advanced Research」

今月、AnthropicはClaudeに「Integrations」と「Advanced Research」という2つの新機能を追加しました。

この記事では、これらの機能の使い方と実際の活用例を紹介します。

目次

🔍 はじめに

「メールの内容をまとめて」「この資料から重要な点を抽出して」というような基本的なタスクは、既にClaudeで十分にこなせるようになりました。しかし、「HubSpotのデータを取り込んでメール作成」や「業界の最新動向を徹底的に調べて」といった、より複雑で高度な作業となると難しいものでした。

新しく追加された「Integrations」と「Advanced Research」は、まさにこうした課題を解決するための機能です。外部アプリとの連携と、より深い調査能力を手に入れたClaudeは、私たちの仕事や情報収集の方法を大きく変えるかもしれません。

💡 新機能の詳細

外部アプリ連携機能(Integrations)

Anthropicは5月1日、Claudeと外部アプリを接続できる「Integrations」機能を公開しました。これにより、Claudeは様々なビジネスツールのデータにアクセスし、操作できるようになりました。

どんなアプリと連携できるの?

現時点で以下の10サービスと連携可能です:

  • Atlassian(JiraとConfluence): Jiraはプロジェクト・タスク管理ツール、Confluenceはチーム向けの共同編集可能なドキュメント管理ツール
  • Zapier: 3,000以上のアプリやサービスを連携させる自動化ツール。トリガーとアクションを設定して異なるアプリ間の作業を自動化
  • Cloudflare: ウェブサイトのセキュリティ、パフォーマンス向上、CDNサービスを提供するプラットフォーム
  • Intercom: カスタマーコミュニケーションプラットフォーム。チャットボット機能やメッセージング、顧客サポートツールを提供
  • Asana: チームのタスク割り当てや進捗管理、締め切り設定などができるプロジェクト管理ツール
  • Square: 実店舗や小売店向けの決済システム、在庫管理、顧客管理機能などを提供する決済プラットフォーム
  • Sentry: ソフトウェアアプリケーションのエラーをリアルタイムで検出、報告、分析するエラー監視ツール
  • PayPal: オンライン決済サービス。個人間送金や企業の決済処理などの機能を提供
  • Linear: 特にスタートアップに人気のソフトウェア開発チーム向け課題追跡・プロジェクト管理ツール
  • Plaid: 銀行口座やクレジットカードなどの金融情報を安全に連携するためのAPI・金融データプラットフォーム

近い将来、StripeやGitLabなどとの連携も予定されています。

実際にどう使えるの?

Anthropicの発表によると、これらのアプリ連携によって以下のようなことが可能になるようです:

例1:Zapierとの連携 Claudeに「HubSpotの先週の商談データを分析して、来週の会議資料を作って」と頼むと、Zapier経由でHubSpotからデータを取得し、分析レポートを作成できるとのこと。複数のタブを行き来しながら手作業でやっていた作業が、ほぼ自動化できる可能性があります。

例2:Atlassianとの連携 Confluenceに散らばっているプロジェクト資料をClaudeに「新入社員向けの研修資料にまとめて」と指示すれば、必要な情報を自動で収集・整理し、研修資料を作成できるようです。さらに「これをJiraのタスクに分解して」と言うと、適切な粒度で作業を分解し、Jiraにタスク登録までできるとのこと。

例3:Intercomとの連携 顧客からの問い合わせデータをIntercomからClaudeに取り込み、「よくある質問をカテゴリ別に分類して」と指示すると、トピック別に分類・集計し、対応策の提案まで行うことができるそうです。問題点があれば、自動でLinearにバグ登録する設定も可能とのこと。

高度な調査機能(Advanced Research)

同時に公開された「Advanced Research」は、調査能力を大幅に強化した機能です。

通常の検索との違いは?

これまでのウェブ検索機能と比べて、以下の点が進化しています:

  1. 検索範囲の拡大:ウェブとGoogleドキュメントに加え、連携したアプリ内のデータも検索対象になります
  2. 調査時間の延長:最大45分かけて調査を行えます(通常の検索は数分程度)
  3. 引用の徹底:情報源への直接リンク付きの引用が提供され、出典の信頼性を確認できます

Advanced Researchの機能

通常の検索機能と比べて、以下の点が進化しているようです:

  1. 検索範囲の拡大:ウェブとGoogleドキュメントに加え、連携したアプリ内のデータも検索対象になります
  2. 調査時間の延長:最大45分かけて調査を行えます(通常の検索は数分程度)
  3. 引用の徹底:情報源への直接リンク付きの引用が提供され、出典の信頼性を確認できます

Anthropicの公式発表によると、この機能を使えば「人工知能と創造性の関係について最新の研究動向を調べて」といった複雑なリクエストに対して、学術論文からの引用、最新の研究プロジェクト情報、業界の専門家の見解、実際の応用事例などを含む包括的なレポートが作成されるとのことです。

単なる情報の羅列ではなく、「この研究はこの分野でブレイクスルーとなったが、◯◯という課題も指摘されている」といった分析も含まれるようで、AIが情報を整理・分析し、人間が理解しやすい形でまとめてくれる機能と言えそうです。

📌 具体的な活用シーン

仕事での活用例

マーケティング担当者の場合

田中さん(マーケティング部門)は、新商品のローンチ準備に追われていました。彼は「競合他社の類似製品の価格戦略と、SNSでの反応を調べて、うちの新商品のポジショニング案を3つ提案して」とClaudeに依頼しました。

Claudeは以下の手順で作業を進めました:

  1. Advanced Researchで競合製品の情報を網羅的に収集
  2. Zapier連携でSNS分析ツールからデータを取得
  3. 社内のConfluenceから過去の商品情報を参照
  4. 3つのポジショニング案を作成し、それぞれの根拠を提示

これにより、田中さんは丸一日かかっていた調査・分析作業を約1時間で終えることができました。

エンジニアの場合

鈴木さん(開発部門)は、新機能の仕様決定に悩んでいました。彼は「ユーザーからのフィードバックを分析して、次のリリースで優先すべき機能と改善点を洗い出して」とClaudeに指示しました。

Claudeの処理:

  1. Intercom連携で顧客フィードバックを収集
  2. Linear連携で現在のバグ報告・機能要望を確認
  3. JiraとConfluenceから開発チームのキャパシティと技術的制約を把握
  4. 優先度が高く実現可能な機能と改善点のリストを作成

鈴木さんはこの結果をもとに、チーム会議でスムーズに意思決定を行うことができました。

個人利用の可能性

この機能が個人利用でも活用できるとすれば、以下のようなシーンが考えられます:

自己啓発・学習

例えば「プログラミングの効率的な学習方法と、初心者でも始めやすいプロジェクト例を教えて」とClaudeに依頼すれば、Advanced Research機能を使って最新の学習リソース、人気のあるプロジェクト例、そして実際の学習者の体験談をまとめてくれるでしょう。

特に役立ちそうなのは具体的なプロジェクト例のリストで、各プロジェクトの難易度、必要な時間、学べるスキルが明記されていれば、自分のスケジュールに合わせた学習計画が立てやすくなりそうです。

旅行計画

「子連れで楽しめる京都の穴場スポットと、混雑を避けるコツを教えて」といった依頼に対して、Claudeは以下のような情報を提供してくれる可能性があります:

  1. 子連れ旅行者のブログやレビューサイトから収集した実体験情報
  2. 最新の混雑予測データと予約が必要なスポットのリスト
  3. 移動時間と子どもの体力を考慮した数日間のモデルコース
  4. 雨天時の代替プラン

旅行代理店よりも詳しく、かつ自分たち家族の条件に合わせた情報が得られる可能性があります。

📖 使ってみたい人へのアドバイス

始め方

両機能とも現在はベータ版で、Max、Team、Enterpriseプランのユーザーが利用可能です。Proプランへの提供も近日中に予定されています。

IntegrationsやAdvanced Researchを使うには:

  1. claude.aiにログイン
  2. 設定画面で「連携」タブを開く
  3. 利用したいアプリを選択して認証を行う
  4. チャット画面に戻り、通常のように質問や指示を入力
  5. 高度な調査を行いたい場合は「Research」ボタンをオンにする

効果的な使い方のヒント

Anthropicのドキュメントやテクノロジーメディアの報道によると、以下のような点に気をつけると効果的に活用できそうです:

  1. 具体的に指示する: 「調べて」ではなく「◯◯について××の観点から最新の研究を調べて」のように具体的に指示すると良い結果が得られるでしょう。
  2. 複数のアプリを組み合わせる: 「Zapierで顧客データを取得して、Confluenceの営業マニュアルと照らし合わせて分析して」というように、複数のツールを組み合わせると威力を発揮しそうです。
  3. 調査時間の目安を伝える: 「10分程度で簡単に調べて」「できるだけ詳しく調査して」など、必要な詳細度に応じて調査時間のヒントを与えるとよいかもしれません。

🔍 まとめと今後の展望

IntegrationsとAdvanced Researchという新機能により、Claudeの活用範囲は大きく広がりそうです。外部アプリとの連携で作業効率が上がり、高度な調査機能で情報収集の質と速度が向上する可能性があります。

特に注目したいのは、これらの機能が単独でも強力ですが、組み合わせるとさらに大きな力を発揮する点です。例えば、ウェブ上の最新データと社内の蓄積データを組み合わせた分析が、チャット一つで実現できるようになるかもしれません。

現在、これらの機能はまだベータ版で、Max、Team、Enterpriseプラン利用者向けに提供されています。私も含めたProプランユーザーには、近日中に提供開始予定とのことです。機能が利用できるようになりましたら、実際に使ってみた体験レポートを詳しくお届けする予定です。どのように機能するか、どんな可能性があるのか、実際の使用感についてもお伝えしていきます。

Claudeの進化に期待しながら、新機能が利用可能になるのを楽しみに待ちましょう。

参考文献

  1. “Claude can now connect to your world” – Anthropic.com, 2025年5月
  2. “Anthropic lets users connect more apps to Claude” – TechCrunch, 2025年5月
  3. “Claude takes research to new places” – Anthropic.com, 2025年4月
  4. “Introducing the Model Context Protocol” – Anthropic.com, 2024年11月
  5. “About Custom Integrations Using Remote MCP” – Anthropic Help Center, 2025年5月更新
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