🔍 はじめに
情報過多の時代、GoogleのAIノートサービス「NotebookLM」が提供する音声生成機能(Audio Overview)が2025年4月から日本語対応し、注目を集めています。この革新的なAudio Overview機能は、PDFやWeb記事などの資料を「2人のAIホストによる対話形式」で音声要約してくれるため、情報収集の効率が劇的に向上します。本記事では、NotebookLMの音声生成機能の詳細、無料・有料プランの違い、実践的な活用法を、実際の利用体験を交えて徹底解説します。
多忙なビジネスパーソン、研究者、学生など、効率的に情報を取り入れたい全ての方に最適な新しい学習・情報収集方法を提案します。
📚 NotebookLMとは
NotebookLMはGoogleが提供する「AIリサーチアシスタント」です。様々な形式の資料をアップロードすると、それらの内容に基づいたAIとの対話や要約が可能になるサービスです。
NotebookLMの基本機能
NotebookLMでは以下の機能が利用できます:
- 資料アップロード: PDF、Googleドキュメント、ウェブページ、音声ファイル、YouTube動画など多様な資料をアップロード
- AIとの対話: アップロードした資料に関する質問に答えてもらう
- 要約・整理: 複数資料の内容を要約・整理する
- 音声概要: 資料の内容を音声で要約・解説する(2025年4月から日本語対応)
一般的なAIチャットとの違い
一般的なAIチャット(ChatGPTなど)との大きな違いは、アップロードした資料の範囲内でAIが動作する点です。これにより、特定の文書やコンテンツについて、より正確な回答や分析が得られます。インターネット全体の知識ではなく、あなたが提供した資料だけを元に応答するため、情報の確実性が高いのが特徴です。
💡 音声概要(Audio Overview)機能とは
2025年4月の新機能と日本語対応
NotebookLMの「音声概要(Audio Overview)」機能は、2025年4月のアップデートで日本語を含む50以上の言語に対応しました。この機能はアップロードした資料の内容を自動的に分析し、音声形式で要約・解説してくれます。

革新的な2人のAIホスト対話形式
この機能の最大の特徴は、2人のAIホストによる対話形式での要約・解説です。一方的な読み上げではなく、まるでポッドキャストやラジオ番組のように、2人のAIホストが資料の内容について会話形式で解説します。
例えば以下のような対話が展開されます:
AIホストA: 「このレポートの主要な発見事項について見ていきましょう」
AIホストB: 「はい。このデータによると、2025年のAI市場は前年比45%成長し、特に日本市場では...」
AIホストA: 「興味深いですね。その成長の主な要因は何だと分析されていますか?」
AIホストB: 「主に3つの要因があります。1つ目は...」
この対話形式により、単調になりがちな音声要約に変化がつき、内容理解が促進されます。質問と回答、議論を通じて内容が展開されるため、単なる読み上げよりも理解が深まりやすいのが大きな利点です。
音声生成プロセスのステップバイステップ
NotebookLMでの音声生成は以下の手順で簡単に行えます:
1.ノーブック作成:NotebookLMにログインし、新規ノートブックを作成
2.資料アップロード: 「Add sources」から資料をアップロード(PDF、Googleドキュメント、URL、音声ファイルなど)

今回は過去記事のYAMLプロンプトに関する記事のリンクを設定してみました。

問題なく読み込まれると音声概要が生成できる状態になります。

3.音声概要を選択: 画面右側の「Studio」で「音声概要(Audio Overview)」を選択

4.音声生成実行: 「生成(Generate Overview)」ボタンをクリック
生成されるまで数分かかります。今回カスタマイズはしていないのですが、無料でもプロンプトを入力し音声生成をカスタマイズすることができます。
5.結果の確認: 数分でAIホストによる対話形式の音声(MP3)が生成される

生成された音声はWeb上で再生できるほか、MP3ファイルとしてダウンロードしたり、共有リンクを発行したりすることも可能です。
📊 無料プランと有料プラン(NotebookLM Plus)の比較
NotebookLMは無料プランと有料プラン(NotebookLM Plus)の2種類が提供されています。あなたのニーズに合ったプランを選ぶために、詳細な比較を見ていきましょう。
基本的な料金と利用条件
項目 | 無料プラン | 有料プラン (NotebookLM Plus) |
---|---|---|
料金 | 無料 | Google One AI Premium(月額2,900円) |
アクセス方法 | Googleアカウントでログイン | Google One AI Premiumへの加入が必要 |
追加特典 | なし | Gemini Advanced、2TBストレージなど |
機能制限の比較
項目 | 無料プラン | 有料プラン (NotebookLM Plus) |
---|---|---|
ノートブック作成数 | 最大100個 | 最大500個 |
1ノートブックあたりのソース数 | 最大50個 | 最大300個 |
1日のチャットクエリ数 | 最大50回 | 最大500回 |
1日の音声生成数 | 最大3回 | 最大20回 |
ストレージ容量 | 15GB(Googleアカウント共用) | 2TB(Google One AI Premium特典) |
NotebookLM Plusは月額2,900円の価値があるのか?
NotebookLM Plusは、以下のようなユーザーにとって費用対効果が高いと言えます:
- 大量の資料を扱うユーザー: 300ソースまで拡張されるため、大規模なリサーチに最適
- チームでの共同作業: 共有機能が強化され、プロジェクト単位での協業が可能
- 音声生成の頻度が高いユーザー: 1日20回までの音声生成で、多数の資料を効率的に処理
- 他のGoogle AIサービスも活用したいユーザー: Gemini Advancedも含まれるため、総合的なAI活用が可能
個人で少量の資料を扱う場合は無料プランでも十分かもしれませんが、ビジネスや研究での本格的な活用を考えている場合は有料プランの検討をおすすめします。
音声生成機能の詳細比較
両プランとも「2人のAIホストによる対話形式」という革新的な音声要約機能を利用できますが、以下の違いがあります:
- 生成回数: 無料プランでは1日最大3回、有料プランでは1日最大20回
- カスタマイズ: 有料プランでは、AIホストの話し方や解説の詳細度、フォーカスするトピックなどをより細かく指定可能
- 対応言語: 両プラン共に50以上の言語に対応(同等)
- 音声品質: 両プラン共に高品質(同等)
NotebookLM Plusの特徴的な機能
有料プラン(NotebookLM Plus)では、無料プランの基本機能に加えて以下のような特典や拡張機能が利用できます:
- 回答のカスタマイズ: AIの回答のトーンや出力の長さを、用途に合わせて細かく調整可能
- チーム共有機能: チームメンバーとノートブックを共有し、共同で編集や利用が可能
- 利用状況分析: ノートブックのアクセス数やクエリ実行数など、利用状況を可視化
- 高度なデータ可視化: 複雑なデータをグラフやチャートとして視覚的に表示
- セキュリティ強化: Googleの厳格なセキュリティ基準に基づく高度なデータ保護機能
- 他のGoogle AIサービス: Gemini Advancedなど、他のGoogle AIサービスも同時に利用可能
🛠️ 音声生成機能の活用ガイド
カスタマイズ機能の活用方法
生成前に「カスタマイズ」ボタンをクリックすると、AIへの指示(プロンプト)を入力できます。以下のようなプロンプト例が効果的です:
- 内容の焦点: 「技術的な詳細に焦点を当てて解説してください」
- 対象者の指定: 「初心者向けにわかりやすく説明してください」
- 特定分野の強調: 「ビジネス面での応用に重点を置いてください」
- トーンの調整: 「フレンドリーな口調で会話を進めてください」
- 構成の指定: 「最初に概要、次に3つの主要ポイント、最後に結論という構成で解説してください」
これらのプロンプトを組み合わせることで、より目的に合った音声要約を生成できます。
多言語機能の効果的な活用
NotebookLMの多言語対応を活用すれば、言語の壁を越えた情報収集が可能になります:
- 外国語資料の理解: 英語や中国語などの資料を日本語の音声要約で理解
- 語学学習: 日本語の資料を外国語で要約してリスニング練習
- 国際チームでの共有: 同じ資料を各メンバーの母国語で共有
言語設定は「設定」メニューから簡単に切り替えられます。
音声ファイルの管理とシェア方法
生成された音声ファイルは以下の方法で管理・共有できます:
- ダウンロード: MP3形式でダウンロードし、スマートフォンやタブレットで外出先でも聴ける
- 共有リンク: 「Share」ボタンで共有リンクを生成し、チームメンバーやクラスメイトと共有
- 再生速度調整: 再生プレーヤーの設定で0.5倍~2.0倍まで速度調整が可能
業種別の活用事例
NotebookLMの音声概要機能によって、文字情報だけでなく音声生成を手軽に利用できることで、さまざまなメリットが出てきます。
ビジネスでの活用
- 会議準備の効率化: 事前資料を音声化し、移動中に内容確認
- 市場調査の迅速化: 複数の調査レポートから共通トレンドを抽出
- 競合分析の強化: 競合の資料や発表を分析し、要点を音声で共有
研究・学術分野での活用
- 論文レビューの効率化: 関連論文をアップロードし、共通点や相違点を把握
- 文献調査の加速: 大量の文献から関連情報を抽出し、音声で整理
- 講義ノートの復習: 講義資料や自分のノートを音声化して復習
教育分野での活用
- 学習教材の作成: 教科書や資料から重要ポイントを抽出した音声教材作成
- 語学学習の強化: 外国語文書の音声要約でリスニング力向上
- 個別学習支援: 生徒ごとの理解度に合わせた説明スタイルの音声要約作成
実践的な活用テクニック
効果的な資料の選び方
- 関連性の高い複数資料: 同じテーマの複数資料をアップロードすると、AIが情報を統合して要約
- 最適な資料サイズ: PDFなら20~30ページ程度が最適(長すぎると要点が薄まる)
- 資料の組み合わせ: テキスト+図表、論文+解説記事など、異なる種類の資料の組み合わせが効果的
プロンプトエンジニアリング
以下のようなプロンプトパターンが特に効果的です:
「[資料名]について、[対象者]向けに、[焦点]に重点を置いて、[トーン]で解説してください。特に[強調したい点]は詳しく説明し、[制約/条件]を守ってください。」
例:「このマーケティングレポートについて、マーケティング初心者向けに、実践的な応用方法に重点を置いて、フレンドリーな口調で解説してください。特にデジタルマーケティングの部分は詳しく説明し、10分以内に収めてください。」
❓ よくある質問(FAQ)
NotebookLMの基本について
Q: NotebookLMは無料で使えますか?
A: はい、Googleアカウントがあれば無料で利用できます。ただし、無料版には利用制限があります。
Q: どのようなファイル形式をアップロードできますか?
A: PDF、Googleドキュメント、Googleスライド、ウェブページURL、YouTube動画、音声ファイルなど、多様な形式に対応しています。
Q: 音声生成機能はスマートフォンでも使えますか?
A: はい、NotebookLMはモバイルブラウザにも対応しており、スマートフォンでも音声生成機能を利用できます。
音声生成機能について
Q: 生成された音声の長さはどれくらいですか?
A: 資料の内容によって異なりますが、通常5分~15分程度です。非常に長い資料でも、要点をまとめて20分程度に収めることが多いです。
Q: 音声生成に失敗する場合はどうすればいいですか?
A: アップロード資料の形式や内容を確認してください。YouTube動画は公開直後だと読み込みエラーになる場合があります(数日待つと解消)。また、再生成ボタンを押すと成功する場合もあります。
Q: 生成された音声は保存されますか?
A: はい、ノートブック内に保存され、後から再生やダウンロードが可能です。必要に応じてMP3ファイルとしてダウンロードして保存することもできます。
有料プランについて
Q: NotebookLM Plus(有料プラン)に切り替える方法は?
A: Google One AI Premiumプラン(月額2,900円)に加入することで、自動的にNotebookLM Plusの機能が利用可能になります。
Q: 無料プランから有料プランに切り替えると、既存のノートブックはどうなりますか?
A: すべてのノートブックと設定は保持されたまま、有料プランの拡張機能が利用できるようになります。
Q: 有料プランを解約するとデータはどうなりますか?
A: プラン解約後も作成したノートブックは保持されますが、無料プランの制限が適用されるため、制限を超えるデータは閲覧のみ可能になります(編集・追加不可)。
📌 まとめ
NotebookLMの音声生成機能(Audio Overview)は、特に2025年4月からの日本語対応により、情報収集と学習の新たな可能性を開きました。2人のAIホストによる対話形式という革新的なアプローチにより、単なる機械的な読み上げではなく、より自然で理解しやすい形で内容を把握できます。
無料プランでも基本機能は十分に使えますが、ビジネスや研究で本格的に活用したい場合や、多くの音声生成が必要な場合は、NotebookLM Plus(Google One AI Premium)の導入を検討する価値があります。
情報の「読む」から「聴く」への移行は、私たちの知識獲得の方法を根本から変える可能性を秘めています。忙しい現代人にとって、NotebookLMの音声生成機能は効率的な情報処理の強力な味方となるでしょう。
ぜひ一度、自分の興味のある資料をアップロードして、AIホストによる対話形式の音声要約を体験してみてください。新しい情報収集の扉が開かれることでしょう。
📖 参考文献
- Google公式ブログ「NotebookLM の音声概要が日本語を含む 50 以上の言語で利用可能に」
- gihyo.jp「NotebookLM、「音声概要」機能で日本語を含む多言語をサポートへ」
- SMOOZ「Googleの「NotebookLM」のAudio Overviewこと概要音声作成機能」
- Note「初心者でもわかる「NoteBookLM Plus」徹底解説」
- yoshidumi.co.jp「AIリサーチアシスタント「NotebookLM」と有料プラン」
本記事は2025年5月1日時点の情報に基づいて作成されています。サービス内容や機能は予告なく変更される場合がありますので、最新情報はGoogle公式サイトなどでご確認ください。
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